その1その2その3その4の続きです。一応のラストです。

余談
補足として「1馬身=約2.4m」です。
200mを12秒で走破すれば秒速で16.67m/s。2.4mなら約0.14秒で走破出来ます。



斤量に関して様々な説が有り、どの説もそれなりに妥当性があります。
しかし、それを具体的な数値に換算するのはほぼ不可能なのです。

なら、どうすれば良いのかというと、妥当な数値を仮定するしか無いということです。
考えてみれば、根拠の無い「1キロ=0.2秒」が定説として世界で認められているのも、具体的な数値を算出できないために妥協案として最も歴史が有り優れているから、とも言えるのです。

よって私は、「
1馬身=1秒のおよそ1/5、2馬身は1秒の3/10、6馬身は1秒に等しい。また1kg斤量※が重くなると1600メートルから2000メートルの中距離で約1馬身遅くなる。短距離では半馬身、長距離では約2馬身の差をもたらす。」という競馬の歴史を汲んだレーティングの原則を尊重するべきだと考えます。

※約1Kg=約2ポンド=約900gなので、起源としては2ポンド(約900g)が正しいです。

とはいえ、これをそのまま補正に換算するよりも、今までに調べてきた全てのことを無理の無い範囲で調整する方が良いでしょうね。

まず第一に、芝のマイル~中距離で「1キロ=1馬身=0.2秒」というのは大きいと感じます。
ここは、「6馬身=1秒」つまり「1馬身=0.167秒」の前提を崩すべきではないと思います。
分かりにくい数字になってしまいますが、マイル~中距離では「1キロ=0.167秒」としておきましょう。

第二に、芝短距離戦です。
芝短距離では斤量差はマイル~中距離の半分の影響しか無いと言われていますが、実際はスタートダッシュの重要性からもう少し影響は大きいと見ます、
即ち、マイル~中距離の「1馬身=0.167秒」の半分「1キロ=0.08秒」よりもほんの少し大きく見積るべきだと考えます。
「1キロ=0.1秒」としておきましょう。偶然にもレーティングの考え方と一致しましたね。

第三に、ダートマイル~中距離です。
これは芝マイル~中距離よりも影響が大きいと考えます。
「1キロ=0.2秒」の原則を適用して良いと思います。

最後に、ダート短距離です。
これはダートマイル~中距離よりも少し影響を小さくして、「1キロ=0.15秒」と見ます。
定説のように半分にはしません。

というわけで、結局は個人の裁量が大きい斤量補正となってしましましたね。
「カピバラ式斤量補正」とでもしておきましょうか。

カピバラ式斤量補正
芝短距離「1キロ=0.1秒」
芝マイル~中距離「1キロ=0.167秒」
ダート短距離「1キロ=0.15秒」
ダートマイル~中距離「1キロ=0.2秒」

全てレーティングの原則からは大きく外れてはいません。
根拠が無い「歴史の原則」は、数値化出来ないものを数値化するために生まれた、優れた妥協点だったのかもしれませんね。 


※追記
芝マイル~中距離は計算上「1キロ=0.15秒」とする場合があります。
さすがに小数点第三位まで考慮するのは厳しいので。