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日本と世界。
近年の競馬界に於いて、その差は無くなろうとしていた。

それだけに、今回のドバイワールドカップデーの日本馬は期待されていた。
ブックメーカーを見れば、日本だけでなく世界も日本に期待していたと言っていい。

しかし結果は、UAEダービー、ドバイシーマクラシック、ドバイワールドカップの3レース全てで日本馬は決定的な差を付けられての敗戦となった。

それぞれ端的に見ていく。
・ドバイシーマクラシック
ハープスターは位置を取ると能力を発揮できないことや距離が敗因。
ワンアンドオンリーは健闘の3着。
・ドバイワールドカップ
エピファネイアは初ダートで適性が無かった。
国内芝レーストップクラスの馬たちにはそれぞれ理由は有るものの、改めて世界の壁の大きさを感じさせられた。

一方国内ダートトップクラスの、UAEダービーに出走したゴールデンバローズ、ドバイワールドカップに出走したホッコータルマエは共に積極策に打って出て、勝ち馬に突き放された。

あれだけ着差を付けられたので力負けとしか言いようが無かったが、それでも敗因の一つにペースが挙げられると思う。

「上がり3Fのラップタイム検証」で知られるMahmoud氏がTrakusのラップを日本式に直してツイートしていたので、引用する。
どちらもかなりのオーバーペースで先行していたことが分かる。

しかし、ゴールデンバローズに騎乗していたムーア騎手はレース後にこのようなコメントを出している。
    1,900mは少し長く、1,600mがベストです。ペースが遅く道中被せられてリラックスして走れませんでした。
ラップタイムで見れば明らかなオーバーペースだが、馬にとってはこのペースでもスローだったということだろう。

事実、レース映像を見てみると、前半はかなりエキサイトしてしまっている。これではかなりスタミナを消耗してしまう。


↑7番ゴールデンバローズがかなりかかっている。動画では0:41~その様子が窺える。

これだけのロスが有りながら自力勝負で3着に粘り込んだのは素晴らしいと思う。

ドバイワールドカップのホッコータルマエは3番アフリカンストーリーや9番カリフォルニアクロームらが前へ出てきてペースを緩める隙が全く無かった。
直線に入る前に数頭ずつ脱落していくサバイバルレースとなり、後方からジワジワ押し上げた1番プリンスビショップが勝利した。

9番のカリフォルニアクロームは昨年のアメリカ二冠馬で北米年度代表馬にも選出され、今回はブックメーカーでは2.37倍の1番人気に推されていた。
3番のアフリカンストーリーは昨年のドバイワールドカップ優勝馬で、9.0倍の4番人気に推されていた。
ホッコータルマエもアフリカンストーリーと同じ人気だった。

それに対し勝利したプリンスビショップは17.0倍の6人気。伏兵の立場だった。

つまり、ホッコータルマエは2・3番手についてきた1番人気のカリフォルニアクロームが伏兵に差されるほどのハイペースを演出したのだ。
ある意味無謀とも言えるペースメイクとなり、もう一頭このペースで先行したアフリカンストーリーは5着のホッコータルマエに対して4馬身差の6着に敗れている。
ホッコータルマエ自身大きく失速してしまったとはいえ、前年の覇者を競り落とす競馬をしたのだから、その果敢さを称えたい。


最後に一つ日本競馬界へ指摘をしておく。
Mahmoud氏のコメントを再度引用。
どんなレースでも先行馬を徹底マークしたり、先行して最低限の位置を取ってペースを緩ませることを簡単には許さないドバイやアメリカダートの強豪馬に対して、日本のダートはペースが緩い。

ドバイワールドカップがダートに戻る以上、力勝負の土俵に引きずり込まれるのは必然なのだ。

「強い馬が力で捩じ伏せればいい」
そんな考えでレースに挑んでくる世界の強豪ダート馬の陣営に対し、ペースの緩みを簡単に容認してしまう日本競馬がダートに戻ったドバイワールドカップで通用するのか。
その難しい挑戦に対し、今回日本馬は大健闘してくれた。

後は日本競馬の土壌、意識。
世界を制するには、馬では無く、それに携わる人が変わることが第一に必要だ。